【U―18W杯】清宮 田浦との“確執”解消して日本一丸!

2017年09月05日 16時30分

【カナダ・サンダーベイ4日(日本時間5日)発】「第28回WBSC U―18ベースボールワールドカップ」に出場している高校日本代表はポートアーサー・スタジアムで行われたオランダ戦を3―1で制し、スーパーラウンド進出を決めた。早実・清宮幸太郎内野手(3年)は「4番・一塁」で先発出場し、3打数1安打1四球で勝利に貢献した。投げては6回から登板した秀岳館・田浦文丸投手(3年)が4回無安打9奪三振の好救援。投打の主役2人は“確執”を解消してこの大会に臨んでいた――。

 日本は序盤、オランダの先発右腕ブレークの前に打線が沈黙。4回には先発の大阪桐蔭・徳山(3年)が連打を浴びて先制を許してしまう。そんな重苦しい流れを断ち切ったのは清宮だ。5回先頭の第2打席、2球目を強振すると鋭い打球が左中間を割った。チーム初安打となる主将待望の二塁打にベンチは大盛り上がり。これで活気づき、続く6回に下位からの3連打にバッテリーエラーが絡んで2点を奪い逆転に成功。8回には一死一、二塁から大阪桐蔭・藤原(2年)が適時打を放ち、オランダを突き放した。

 3勝1敗の日本は1次ラウンド最終戦となる5日の南アフリカ戦を残して早々とスーパーラウンド進出を決めた。主将の清宮は「厳しい試合だったけど、しっかりチャンスをつくって相手のミスで点が取れた。あれも自分たちでもぎ取った点だと思う」と胸を張った。今大会初の長打が飛び出した自身の打撃についても「自分らしい打球も出たし、だんだん(タイミングが)合ってきたかなという感じ。いい感じでボールを見られていた。内容は悪くない。ずっと出ていなくて迷惑をかけていたけど、なんとかできてよかった」と手応えを口にした。

 投のヒーローは逆転した直後の6回から2番手で登板した左腕田浦だ。4回を無安打9奪三振という圧巻の投球には、清宮も「安定感がありますし、安心して見ていられる。普段と違って、すごくガッと(試合に)入る。一人の世界じゃないですけど、すごく頼もしいです」と目を丸くするばかりだった。

 投打で主役となった2人には、実は大会前まで“確執”があった。5月に熊本で行われた早実―秀岳館による招待試合でのことだ。秀岳館・鍛治舎監督の「田浦と清宮を対戦させてあげたい」との計らいから、9回二死から田浦が清宮の前打者を敬遠。真剣勝負の場と考えていた早実サイドからは疑問の声が上がり、前打者を気遣った清宮も珍しく怒りをあらわにした。

 だが、代表合宿で再会した2人は意気投合。田浦が「合宿初日にバスで清宮が後ろの席になって、どっちから話しかけたかは覚えてないけど、そのときの話もしました。『ぶっちゃけ、どういう感じだったの?』って感じで。気まずさはなくて『全然怒ってないよ。もう仲間なんだから気にせずいこうぜ』と言ってくれた。自分はけっこう人見知りなので、あれはありがたかった」と明かしたように、きちんと“仲直り”を済ませて今大会に臨んでいた。今ではお互いに“デブキャラ”をいじり合うほどの仲の良さだ。

 清宮が「マウンドだとギラついているけど、普段はタヌキみたいな感じです(笑い)」と話したかと思えば、田浦も「けっこう(清宮には)かわいいところがある。キャプテンとしてはみんなをまとめられて、頼りになります」と笑顔で言う。昨日の敵は今日の友。確執を乗り越えた投打の主役が目標の世界一に向けて突き進む。