巨人がいよいよAクラスを射程に捉えた。3位DeNAとの直接対決第1ラウンド(横浜)は3―0の9回表一死降雨コールド勝ちを収め、3連勝でついに1・5差まで接近した。7回無失点のエース・菅野智之(27)ら投手陣の踏ん張りが大きかったが、気になるのはこの日一軍昇格を果たした澤村拓一投手(29)の使い道。昨季の守護神に首脳陣が期待する役割とは――。

 厳しい試合となったが、最後は雨に救われた。巨人が3―0とリードして迎えた9回一死、マギーの打席中に雨脚が強まり、試合は中断。約30分後、審判団がコールドを決断すると、三塁側ベンチから「ヨッシャー!」と歓声が上がった。

 試合はスコア以上に苦しい展開だった。体調不良で前回登板を回避した菅野は、中12日と間隔が空いた影響もあってか序盤からピンチの連続。それでも打線の援護を受けて要所を抑え、7回まで無失点で乗り切った。

 8回から登板した西村が2安打2四球で二死満塁の危機を招くと、ベンチが投入したのは抑えのカミネロ。満塁弾で逆転される場面で、助っ人守護神が梶谷を三振に斬り、24セーブ目をマークした。

 仮に試合が続行されていた場合、由伸監督は「当然、次もいってもらうつもりだった」とカミネロを続投させる予定だったと明かした。8回は本来ならマシソン投入の場面だが、3連投中だったことを考慮し、よほどの展開でない限り休ませると決めていた。

 一方で、この日ようやく今季初昇格を果たし、注目された澤村の出番はなかった。昨季の守護神にベンチは今後どのような役目を託すことになるのか。村田真ヘッドコーチは「けが上がりやから、最初は楽なところからやろう。どれぐらい投げられるのか見てみたいよな」と話したように、まずは試運転の場面を探っている段階。斎藤投手コーチも「今日使っちゃおうかとも思ったけれど、さすがにね。例えば9回表に2、3点取っていれば、いってもらったかもしれないけれど」と話した。

 ただ登板を重ねて澤村が以前の姿に近づいたとしても、今季に関しては守護神復帰の可能性は低そうだ。村田善バッテリーコーチは「今は健太朗(西村)、スコット(マシソン)、カミネロの流れが機能している。そこを崩すことはないんじゃないかな。カミネロも一時期より、コントロールが安定してきた。監督や斎藤さんも、無理に抑えにするより、澤村には健太朗と同じで先発からつなぐ役割を期待していると思う」とした。

 主軸先発陣をフル回転するためにも、今後はリリーフ陣の充実が不可欠。抑えでなくとも、澤村に使えるメドが立てば大きな戦力となるが…。「率先して引っ張っていこうとは思わないけど、与えられたところからしっかり結果を残していければ」と殊勝に語った背番号15は、CS進出を目指すチームの力となれるか。