選手会が山口俊の処分「重すぎる」として巨人に再検討を要求

2017年08月28日 18時49分

山口俊

 日本プロ野球選手会は28日、巨人・山口俊投手(30)が7月中旬に酒に酔った状態で訪れた都内の病院で、警備員を負傷させたなどとして、今季終了までの出場停止と罰金、減俸などの処分を科されたことに対し、処分が重過ぎるとして巨人に再検討を求め、熊崎勝彦コミッショナーに適切な調査や裁定を要求したと発表した。

 警備員を負傷させ、病院の扉も破損した山口俊は傷害と器物破損の容疑で書類送検されたが、その後、被害者側と示談が成立し、不起訴処分となった。それでも事態を重く見た巨人は今月18日、今季の出場停止に加え、罰金、減俸の処分も科した。その金額は罰金と今季の減俸額だけで1億円超、来季の減俸額も合わせると3億円程度に及ぶとみられている。

 これに対し、選手会は逮捕事案ではなく、すでに被害者との示談も成立していることから「このような事案でのプロ野球界の前例、その他社会における懲戒処分実務に照らし、対象選手に対する総額1億円以上の金銭的ペナルティは明らかに重すぎる不当なものです」と断じた。

 さらに「巨人軍は、公表した上記処分のほか、対象選手に対し、対象選手が巨人軍と締結していた複数年契約の見直しを迫り、これに同意しなければ契約解除(解雇)するとの条件を提示し続けることにより同意させました。この契約見直しに基づき対象選手が受ける金銭的ペナルティは総額数億円以上にのぼります」と指摘。

 その上で「選手契約と労働契約を考えた場合の解雇事由がないことは当然であり、また労働契約でない特殊な契約と考えたとしても、このような不当な契約解除を当然の前提として自主退団を迫り、総額数億円もの金銭的不利益を甘受するよう迫ることは、巨人軍が対象選手の今季の事業活動継続の可否を決定し得るという取引上優越した地位にあることに照らし、独占禁止法上不公正な取引方法として禁止される優越的地位の濫用に該当します」と抗議した。

 これらを踏まえた上で「結果として今季中の年俸の支払いを免れ、また来季以降の年俸を約束した契約を短縮することとなっており、巨人軍が、本件を奇貨として不当な解雇を突きつけることで、金銭的な負担を軽くする意図があったのではないかと邪推せざるを得ません」とも分析。巨人に対し「強く抗議するとともに、処分の再検討、及び契約見直しの撤回」を求め、熊崎コミッショナーと実行委員会には「適切な調査、裁定、指導その他の合理的な対応、及び当会への報告」を要請した。