「第28回WBSC U―18ベースボールワールドカップ」の高校日本代表チームが22日、千葉県内のグラウンドで合同合宿を開始。高校通算107本塁打の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(早実=3年)を中心に、悲願の世界一に向けた戦いが始動した。

 この日は甲子園出場中の花咲徳栄・清水達也投手(3年)、広陵・中村奨成捕手(3年)を除く18人が顔を合わせた。注目の清宮は木製バットを使ったフリー打撃で60スイング中11本の柵越えを披露。集まった代表選手らを驚かせた。「自分は1年で代表に入れていただいて、(当時代表の)西谷監督から『お前が2年後にこの経験をみんなに伝えてほしい』と言われた。その意味を今、感じています」と決意を新たにした清宮。ナインも早くも打ち解けつつあるが、その裏ではシ烈なポジション争いも勃発している。

 この日は三塁が本職の履正社・安田尚憲内野手(3年)が練習終盤から一塁の守備練習に参加。もともと一塁候補には清宮しか選出されていなかったが、大藤ヘッドコーチは「安田はファーストの方がいいね。清宮とポジション争い? そうね、どっちかはDHもあるし。そうなると思うよ」と守備での定位置争いの可能性を示唆。小枝監督も「自校でやってきたときとは違う適性も出てくる。ただ、清宮くんには守りであんまりストレスを感じさせずやってもらいたい」と清宮は一塁に専念させる考えで、安田との一騎打ちを歓迎した。

 一塁が本職の清宮もそうやすやすと安田にポジションを奪われるわけにはいかない。「目標はもちろん世界一。一つひとつクリアしていかないといけない」と気を引き締めた清宮。世界一への戦いの前に、まずは目の前のライバルに差をつけられるか。