【ズームアップ甲子園】17年ぶりの夏の甲子園で見せた東海大菅生(西東京)の進撃は、花咲徳栄(埼玉)によって阻まれた。22日の準決勝第2試合、東海大菅生は最終回に2点差を追いつく粘りを見せたが、延長11回に力尽きた。

 4―6で迎えた9回、一死一、二塁で田中(2年)の放った打球が遊撃手を強襲し、ボールが右翼の手前まで転がる間に2人が生還。チームの意地が土壇場の粘りを生んだが、あと一歩及ばず、試合後の若林監督は「いい試合だったと思う。いい試合だった分だけ選手に勝たせてあげたかった。ベスト4というのは成績的にはいいが、ここまで来たら広陵さんとやりたかった。選手には申し訳ない」と悔しさをにじませた。

 4強入りは立派だが、ナインにとっては不完全燃焼だった。西東京大会で選抜出場の日大三、早実を破って甲子園に乗り込んできた東海大菅生。ある選手は「ウチは日本一を目指していた日大三高や早実のためにも負けるわけにはいかなかった。だから優勝あるのみという気持ちだった」と唇をかむ。全国有数の激戦区を制したチームゆえに、甲子園で勝つことを宿命づけられていたのだ。

 過去、春夏通じて2回戦進出が最高成績だった。悲願の日本一はならなかったが、「西東京の誇り」で大きな躍進を遂げた。