【甲子園】8強天理“ドS監督”と泣き虫主将の特別な関係

2017年08月19日 14時00分

ベンチ前で話す天理・中村監督(左)と城下主将

 第99回全国高校野球選手権大会第10日の18日、天理(奈良)が延長11回の末、2―1で神戸国際大付(兵庫)を破り、準々決勝に進出した。「選手がよく頑張ってくれたのひと言。今日も百点満点。試合を経験すると選手は伸びるんだなと思った」と中村監督はにっこりだ。

 天理OBで元近鉄、阪神戦士でもある中村監督は、ナインによると生粋の“ドS監督”。「あるとき選手を徹底的に叱り飛ばしたあと、振り向いた監督の顔は笑っていました…」と、ある選手はその恐ろしさを語る。そんな鬼監督の標的はいつでも主将の城下捕手(3年)。ミスをした選手がいると、その選手でなくあえて城下を呼びつけ、みんなの前で完膚なきまでにこき下ろすのが恒例だという。

 一見、理不尽に思える仕打ちだが、それには理由がある。中村監督は天理の主将として1986年夏に全国制覇を経験。「監督が天理のキャプテンをやっていたときは練習メニューも全部自分で決めて、当時の監督の出る幕がなかったほどだとか。そのくらいできるはずという期待があるから、城下さんにもあえてキツく当たるんだと思います」とナインは気持ちを酌む。

 とはいえ、責任感の強い城下には監督の叱責が相当にこたえるようで「叱られるたびに泣いてます。一昨日もシートノックのときの雰囲気が悪いと怒られて、こっそり泣いていた。キャプテンを辞めたいという話も何度も聞きました」(ある選手)。そんな主将の負担を少しでも減らそうと、副主将の神野(3年)と山口(3年)が中心となり、キャプテン不在のミーティングが幾度も行われていたという。

 その城下はこの日、守っては1失点完投のエース・碓井涼(3年)を好リード。打っては延長11回、右中間二塁打で好機をつくり、8番・山口の右前適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。「春は接戦に弱かった。夏に入って成長した。碓井(涼)にあっぱれ」(城下)「城下が中心となって頑張ってくれた。素晴らしい配球だった」(中村監督)。ドS監督と泣き虫キャプテンの特別な関係は、もうしばらく続きそうだ。