懐かしい校歌がグラウンドに響き渡った。第62回全国高校軟式野球選手権大阪大会の決勝が4日、住之江公園野球場で行われ、PL学園が興国に1―0と完封勝利。4年ぶり11回目の優勝を飾った。7回、二死二塁から相手ミスの間に二塁走者が一気に生還し、虎の子の1点をエース殿納(2年)を中心に守りきった。

 試合後の斉藤大仁監督(56)は大泣き。「硬式が休部になって、卒業生たちも悲しんでいる。そういう中でホットな話題を提供したい、頑張っている姿を見せたいと思っていた。卒業生の皆さんがいつも声援を下さっているということを想像すると、自然と涙があふれた。たかが軟式かもしれないが、我々はPLの伝統を背負っている」と感極まった。

 硬式野球部は2015年度に新入部員の募集を停止し、昨夏の大会を最後に休部したが“PL魂”は受け継がれている。この日、殿納を好リードした相曽(2年)は「PLの硬式でずっとやりたいと思って(PL)中等部から野球をやってきた。硬式のある学校への進学を考えて悩んだけど、軟式でもいいからPLでやりたかった」と話した。

 24日から始まる全国大会に向け「大阪の代表としてPLの野球を見せたい」と斉藤監督。16年ぶりの日本一で存在感を示す。