巨人は31日、東京都内の球団事務所でスカウト会議を開き、今秋ドラフトの指名候補について、進学希望情報などの確認作業を行った。

 なかでもスカウト陣が関心を寄せているのは最上位候補に据える早実の清宮幸太郎内野手(3年)の動向だ。会議後に取材に応じた岡崎スカウト部長は清宮への評価について「変わらないんじゃないですかね。これから甲子園に出て評価を上げるとかいうものではないと思う」とした上で「トップクラスであることには違いない。タイミングの取り方であったり、柔軟性だったり、トップからインパクトまでの速さであったり、一番大事なものはあるように思う」と絶賛した。

 清宮は進路について明言していないが、興味津々なのは現場トップである由伸監督も同じ。「この夏は逆方向(への打球)が多くなった。(飛距離も)どんな球場でもだいぶ飛んでいる」と成長を認め「パワーがあるだけじゃ飛ばない。体が大きいから飛ばせるわけでもない。体の使い方、コツを持っているんだと思う」と語った。

 注目の進路について、由伸監督は「こればっかりは本人が決めること。どちらがいいかは、それぞれだから。進学してさらに成長する人もいるし、期待されていても大学で消えてしまう選手もいるからね」と私見を述べた。ただ、これまでの清宮のプレーぶりから感じるところはあるようだ。

 自身も高校時代からプロ注目のスラッガーだったが「俺の場合、すぐにプロに入る気はさらさらなかったよ。まだ、プロでやれるという自信がなかったからね」。その上で、清宮に向けて「やれるという自信が大事。それさえあれば(プロ入りの選択も)いいんじゃないかな」と悩める心中に思いを寄せつつ、言葉を贈った。

「やはり1位で欲しい選手か」と単刀直入に聞くと、由伸監督は笑顔でかわしながら「人気は抜群だからね」とした。過渡期のチームを支えるスターの出現を、巨人は球団全体で待ち望んでいる。甲子園への道が途絶えても、怪物に向ける熱い視線は不変だ。