早実・清宮幸太郎内野手(3年)が17日、第99回全国高等学校野球選手権西東京大会の4回戦・芦花戦(ダイワハウススタジアム八王子)で「3番・一塁」で先発出場し、高校通算105号となる満塁本塁打を放った。チームも14―0で7回コールド勝ちを収めて16強入り。5回戦に進出した。清宮への注目度が増していく中、日本ハム・中田翔内野手(28)が清宮に緊急エール。今後の去就について独特の言い回しでアドバイスを送った。

 高校通算最多本塁打の107本にあと2本に迫り、勢いが止まらない清宮。甲子園に向けてまた一歩駒を進めたが、一方で気になるのは今オフの進路についてだ。プロスカウトの熱視線を浴びながらも早大進学、海外留学も噂される中、日本ハムの主砲が口を開いた。中田は「人の進路について周囲がゴチャゴチャ言う必要はない」と前置きしたうえで、自身の経験を踏まえ持論を展開した。

「いくら高校生といっても、自分の人生なんだから進路は自分で決めるべき。たぶん周囲やマスコミが騒ぐだろうけれど、最後は自分で決めないと。俺だって、高校からプロに入る時は周りからいろいろと言われたけれど、最終的には自分でプロに行くことを決めたから。そういう気持ちを持って進んでいかないと、どっちの道に行っても厳しいと思うよ」

 中田自身、プロ入り前は「進学」という選択肢もあったという。「中途半端な気持ちで野球をやるぐらいなら俺は野球を辞めた方がいいと思った。だから、仮に大学に行ってたら俺は野球を辞めていた。そういう気持ちを持たないと、プロに入ったら壁にぶつかるからね」と当時、退路を断ってプロ入りした経緯を明かした。

 大阪桐蔭時代は甲子園に3度出場。高校通算87本塁打で当時の最多記録をマークするなど清宮と同じようにズバぬけた成績を残した。鳴り物入りで日本ハムに入団した中田だったが、1年目からプロの壁にぶち当たり低迷。その後、チームの主力として成長するまでに2年以上を費やした。高校時代にいくら好成績を残しても、それはあくまで過去の成績。プロでそのまま通用するとは限らない。プロの厳しさを身をもって感じただけに、才能ある後輩にはあえて厳しい言葉を並べるのだろう。

「結局、自分の人生を切り開くのは自分次第だし、壁にぶつかったらその壁を乗り越えるのも自分。そうやって突き進んでいかないとプロではやっていけない。進学かプロ入りかで悩んでいるのかは知らないけど、プロに入るならそういう覚悟で来てほしい」

 中田から後輩スラッガーに贈られた「金言」。清宮に伝わるか…。