28日に多臓器不全のため、福岡市内の病院で急逝した西武・森慎二投手コーチ(享年42)の周辺に悲しみが広がっている。元同僚や教え子の西武ナインたちはもとより、球界関係者の間からは、一緒に野球をすることを楽しみにしていた、小さい3人の子供を残して旅立った無念に思いをはせる声も…。あまりにも急で、早すぎる。

 森コーチが右肩、脇腹に激しい痛みを訴え、福岡市内の病院に緊急入院した25日から、わずか3日後での訃報。西武ナイン、関係者に与えたショックは計り知れず、29日の二軍練習前には西武第二球場に半旗が掲げられ故人に黙とうがささげられた。

BCリーグ・富山時代にはBC石川の森コーチと互いに監督として同リーグを盛り上げていた横田久則ファームディレクターは「あまりにも若すぎますよね。まさかこういう形で別れが来るとは思わなかった」とガックリ肩を落としていた。

 一方で森コーチに近い関係者からは、残された家族に対する無念の声が聞こえてくる。知人の一人は「彼にはBC石川時代(2009~14年)に一緒になった奥さんとの間に3人の息子がいる。上の子がまだ小学校に上がったばかりで本人は『これから野球を教えたい』と楽しみにしていたところだった。残された奥さんと子供たちのことを考えると、かける言葉もない」と言葉を失っていた。

 森コーチの容体が悪化した25日以降、東京の自宅から夫人、山口・岩国の実家から両親が福岡市内の病院に駆けつけたというが、家族らの願いもかなわず帰らぬ人となった。同コーチは山口の実家に一度移送されたのち東京の自宅へ帰るという。