昨季は借金12で4位と低迷した西武が、交流戦を10勝7敗1分けで終えて、貯金9でパ・リーグ3位と大健闘している。好調の要因の一つとして挙げられているのが、ルーキーながら正遊撃手として定着した源田壮亮内野手(24)の存在だ。12球団の新入団全41野手(うち育成選手16人を含む)の中で唯一、開幕から全63試合でスタメン出場。打率2割7分8厘、2本塁打、23打点、リーグ2位の18盗塁(22日現在)と成績も堂々たるものだ。

 昨秋のドラフトでは、内野手だと阪神・大山、巨人・吉川尚が1位、日本ハムの石井一が2位で指名された。源田は3位まで“残っていた”格好だが、評価が低かったワケではない。西武の前田俊郎編成部育成アマ担当部長(51)が明かす。

「昨年のチーム状況(シーズン101失策、正遊撃手不在)がなくても源田は獲りにいっていました。他のショートがいなかったからではなく、ウチは最初から源田が欲しかった。そのために2年前から担当(スカウト)もつけていた。吉川君、京田君よりウチの中での評価は高かったし、その2人は1位、2位でしか獲れない選手。ウチはその上で(源田を)3位で獲りたかった」

 西武では故根本陸夫元管理部長時代から、特A級でない限りドラフトの上位2枠を投手に使うのが伝統。言うなれば、野手でナンバーワン評価していた源田を狙い通りの3位で獲得できたのは“眼力”のなせる業だったというわけ。前田部長は「守りと足は確かで間違いのない即戦力評価。打つほうはプロに入ってからでも何とかなると思っていたけど、こんなに早く結果が出るとは思っていなかった」と笑顔を見せる。

 社会人時代は9番を打っていたこともあり、他球団からの評価はそれほど高くなかった。野手の世代交代が遅々として進まないチームは、西武のドラフト戦略を見習うべきかもしれない。