二軍調整中の阪神・藤浪晋太郎投手(23)が20日、完全復活に向けた悲痛な覚悟を激白した。エリート街道から一転、不振ではプロ5年目で初めて味わう二軍落ち。一軍では制球難による失敗の繰り返しで周囲の目は厳しくなる一方だったが、本人は「今回の降格は挫折ではない。周りは僕のことをここまで順風満帆に来たと思っているけど、そんなことはない。高校時代、3年の選抜で優勝するまでは全然ダメでしたから」と話した上で「落ち込んだりということもないし、眠れないということもない」。

 危機感がないわけではない。香田投手コーチは「(他に)頑張っている選手もいるわけだからそういう選手を順番に使う。いついつまでに、という設定はしていない」とすでに藤浪を“特別扱い”しない方針を決定。ドラフト2位ルーキーの小野が台頭し、一軍復帰の機会が遠のくばかりの状況に「調整ではなく降格で二軍にいるので自分が良くなっても使ってもらえる保証はない。(今季)最後まで出番がなくても仕方ない。それがプロ野球であり、先発ローテというものですから」とまで覚悟している。

「自分の技術のなさが(すべての)原因。今はいろいろやらせてもらっている。早いに越したことはないが、自分が『よし!』と思えるまで二軍でしっかりやっていきたい」。この日は鳴尾浜球場での練習に参加し、ブルペンでの感触に「良くなってきている」と手応えを口にしたが、金本監督ら首脳陣、ナイン、そしてファンが期待するのは新しい姿の藤浪。捲土重来となるか。