助っ人コンビさまさまだ。巨人は16日のロッテ戦(東京ドーム)に8―0で勝ち、セ・リーグ4位に浮上した。ヒーローは8回2安打無失点のマイルズ・マイコラス投手(28)と、来日初三塁打を含む3安打5打点のケーシー・マギー内野手(34)。ブルペンを支えるスコット・マシソン投手(33)を含めた“優良助っ人トリオ”は、来季もチームに残ってくれるのか。球団が早くも気をもむなか、ささやかれる“残留のカギ”とは――。

 パ・リーグ最下位に沈むロッテを、投打に圧倒した。投げてはマイコラスが8回までゼロ封の圧巻投球。打ってはマギーが初回に2点適時二塁打を放つと、5回に来日初となる三塁打でさらに2打点。8回には7号ソロと大暴れした。

 仲良く上がったお立ち台では、マギーが「苦しいときもあったけれど、この1週間はいい戦いができている。今後も自分のできることをしっかりやっていきたい」と語り、マイコラスは「今日、家族が米国から到着したので、できれば早く試合を終わらせて帰りたい」と声を張り上げ、G党の大歓声を浴びた。

 由伸監督も会見では助っ人コンビを絶賛。「いい形で攻撃できたし、先に点を取って、あとはマイコラスがナイスピッチングをしてくれたのが今日はすべて」とし、マイコラスについては「毎回きっちり試合をつくってくれる。頼もしい投手」と続けて目を細めた。

 ただ過渡期のチームを支える頼もしい助っ人たちも、来季はチームに残るかは分からない。この日出番はなかったマシソンは、昨秋の段階で「最近オフになると米球団からも話が来るようになった。来年は帰ってくるが、それ以降はもう一度、メジャーでやりたい思いもある」とメジャー復帰願望を明かしている。

 今季で2年契約が切れるマイコラスも同様だ。MLB事情に詳しい関係者は「メジャー契約を勝ち取って米国へ戻ることが本人の最大の目標。いいオファーがあれば、今オフは復帰を決断するだろう」と話す。

 生え抜きの世代交代が進まず、外国人選手に依存するしかない状況の巨人にとっては死活問題。そんななか、優良助っ人軍団を日本につなぎ留めるカギと言われているのが、それぞれの家族だ。

 この日はマイコラスの“美人妻”ローレン夫人が、生後3か月の長女と来日した。上機嫌の助っ人右腕は「とても気分が高揚して、自分の振る舞いも含めて、うまく試合に入れた。いい試合の後に会えるのは気分がいいし、寝つきもいいと思う」といつになく冗舌。妻子は今後も日本にとどまる予定という。

「出産から間もない時期に来日したことでもわかるように、ローレンさんは日本の生活が気に入っているんです。今後は“ママタレ”としての芸能活動も視野に入れているようですし、奥さんのひと声でマイコラスも残留を決める可能性はあります」(チームスタッフ)

 一方、マシソンがメジャー復帰を口にしたのは「息子にメジャーで投げる姿を見せたい」という思いが理由だった。妻のジェニファーさんは、外国人選手には珍しく、日本国内で2人の子供を出産した親日家。右腕は以前、日本で現役を終えたいとも話していただけに、今後も家族の希望が去就に影響するのは間違いない。

 単年契約で加わったマギーも、日米球界きっての“ファミリーパパ”だ。楽天時代では先天性の脳障害と闘う長男の療養を優先し、1年での退団を決断した。巨人は家族の帯同許可を契約に盛り込むなど、グラウンド外も手厚くフォロー。周囲によれば、現在の治療環境には満足しているというが、残留を左右するのは「家族」になるだろう。

 暗黒期に足を突っ込んだ巨人の命運を握る助っ人トリオの去就問題。シーズンはまだ半ばだが、今から気になるところだ。