DeNA・宮崎敏郎内野手(28)が15日のロッテ戦(横浜)で5号逆転満塁弾を含む4打数3安打4打点の大活躍。6―2の勝利に貢献した。打率3割3分9厘でリーグトップに立つ原点は“ノリイズム”だ。

 打棒を買われ12年のドラフト6位でセガサミーから入団したが、2年目の14年4月26日の阪神戦(横浜)で二塁を守った際、犠打で一塁カバーに入りながらボールから目を切り、直前で避ける失策で中畑監督(当時)から二軍に落とされた。

 二軍で落ち込んでいた宮崎と一緒に汗を流したのが中村紀洋氏(43=現浜松開誠館高コーチ)だった。中村氏は同年5月に采配批判をしたとしてその年のほとんどをファームで過ごした。宮崎は「打撃のことはほとんど聞きませんでしたが、三塁の守備練習ではいつもノリさんと一緒だった。後ろで見て守備を勉強しました。野球以外のことも本当にたくさん教わりました」と振り返る。

 13年5月に2000安打を達成した中村氏が強調していたのは守備の大切さ。中村氏は「いくら打撃が良くても守備が穴になれば一軍では使われない」とグラブさばきを磨き、三塁手史上最多の7度もゴールデン・グラブ賞に輝いている。

 宮崎も毎日、早出で守備練習をして今年ついに三塁の定位置を確保。40試合で2失策と安定している。「ノリさんからは特に連絡はないです」と話す宮崎だが“弟子”の躍進を誰よりも喜んでいるはずだ。