東浜に“ゆとり教育”のススメ

2013年01月06日 16時00分

 ソフトバンクのドラ1ルーキー・東浜巨投手(22=亜大)に“ゆとり教育”のススメだ。3球団競合の上で獲得した大学ナンバーワン右腕だけに、即戦力としての活躍が当然視されているが、チーム内からは1年目からのフル回転に懐疑的な声が上がっている。将来のエース候補として、着実なステップアップをさせるべきだというのだ。

 東浜は亜大時代の4年間で東都大学リーグの歴代記録を大幅に塗り替える22完封をマーク。大学ナンバー1右腕との呼び声も高い。

 即戦力として1年目から先発ローテーション入りすることが当然視されており、東浜もそんな周囲の期待に「入るからには1年目から活躍したい。新人王は新人として最高の評価。狙えるなら狙っていきたい」と話している。もっとも、チーム内からは金の卵に対する“ゆとり教育”を薦める声が上がっている。

 あるチーム関係者は「東浜は意外と時間がかかるかもしれない。映像を見る限りテクニックで打ち取ったり、総合力で勝負というタイプなんだろうけど、アマチュアとプロでは対戦する打者の技術が格段と違う。性格的に真面目だし、思わぬ壁にぶち当たってしまうかもしれない。将来的にはチームの軸となるべき投手。まずはステップアップをしていってくれればいいんじゃないか」と話した。

 東浜といえば抜群のマウンドさばきが売り。ただ、プロの舞台ですぐさまその本領を発揮できない可能性もあるからだという。

「アマチュアで空振りを取れていたボールもプロは振ってくれない。技術で打ち取るタイプでも、和田(現オリオールズ)の独特な投球フォームのような、突出したものがあればルーキーからすぐ活躍できるだろうけど、そこがどうなるか。すぐ対応できればいいが、プロだって甘くはないからね」(チーム関係者)

 しかも、大卒の新人には長丁場となるプロの舞台でスタミナ切れとなる不安もある。昨季も東洋大から3球団競合の末、ロッテに入団した藤岡が、4月の時点で3勝を挙げていたにもかかわらず急失速。6勝(7敗)止まりに終わっている。ただでさえ昨年右肘を痛めている東浜だけに、なおさら焦りは禁物だ。

 王球団会長から「周りに合わせることなくていい。自分のペースでやってほしい」と伝えられたという東浜。チームには大場、巽など思ったような成績を挙げられていない大卒ドラ1右腕もいる。将来を背負うべき逸材だけに、まずは「急がば回れ」か…。