藤浪との合同練習で若虎に刺激

2013年01月08日 16時00分

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が4日、大阪・大東市の大阪桐蔭・野球部グラウンドでの自主トレを公開した。ゴールデンルーキーの本格始動とあって約50人の報道陣が集結。球団も3人の広報を派遣したが虎サイドはそんな絶大な注目度のフル活用ももくろんでいる。それは春季キャンプで期待の若虎たちを常に藤浪と一緒のグループで練習させるというもの。狙いは伸び悩む若手軍団に強烈な刺激を与え、目覚めさせるためだ。

 

 ランニング、キャッチボール、坂道ダッシュなどで汗を流した藤浪は2月1日からのキャンプに向け「肩の状態がいい。キャンプに入る時にはブルペンに入れるぐらい、しっかり体をつくりたい」と意気込んだ。新年の本格的な練習はこの日がスタートとなったが、年末年始も父方の実家でキャッチボールを行うなど、欠かさずに体を動かしていたという。

 

 昨年は大阪桐蔭のエースとして甲子園で春夏連覇し、国体との3冠に輝き、昨秋のドラフト会議では4球団が1位指名で競合。そんな大型右腕への注目度は絶大で、この日も約50人の報道陣が集結した。春季キャンプでもその一挙手一投足に多くの視線が注がれることは確実。メーン球場、サブグラウンド、ブルペン、室内練習場と藤浪が行くところは常に黒山の人だかりになるのは間違いない。

 

 チーム関係者はこの衆人環視の状況を見逃す手はないと考えている。あるコーチは「キャンプでも多くの人が見る中で練習する方が効果はある。恥ずかしいプレーはできないし、もちろん手を抜くこともできない。緊張感の中で練習することで大幅な効率アップが期待できる」と指摘する。

 

 2009年ドラフト1位の二神をはじめ、歳内、秋山、白仁田など春季キャンプで大きな期待を寄せられながら、シーズンでは思うような結果を残すことができない若手が多い。チーム関係者は「素質はいいものを持っているのに、あと一歩という感じ。この最後のひと伸びをさせるためにも藤浪と一緒に行動させるのがベスト。何をするにしても多くのファンの前で練習することになる。ダッシュ1本も手を抜くことはできなくなる」と藤浪効果を説明する。

 

 投手陣だけではない。「若手捕手だって藤浪の球を受ける時にはプレッシャーがかかる。ポロポロ落とすわけにはいかない。キャッチングをはじめ藤浪にどういう声をかけるか。野手だって連係プレーに藤浪が参加すればたくさんの人の中で練習することになる。緊張感を持って一つひとつの動きをすることが強いられる」(チーム関係者)

 

 高校生ルーキーだけに球団も慎重に育成を進める方針で、すぐにデビューとはいかない可能性もある。ただ、藤浪がもたらす膨大な数の“目”によって他の若虎軍団が一気に殻を打ち破ることも大いに期待できる。長年の課題だった世代交代の鍵も藤浪が握っている。