阪神の助っ人エース、ランディ・メッセンジャー(35)が1日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発したが、7回4失点で今季2敗目を喫した。それでも、初回に高山の拙守による不運な失点もあったなかでの135球の熱投。今季はすでに6勝をマークするなど頼もしい働きぶりだが、実は来日8年目の今季、目の色を変えて目指している勲章があるという。それは…。

 ハーラー単独トップの7勝目を狙ったこの日のマウンドは、不運な結果に終わった。初回に左翼手・高山の拙守などが響き、終わってみれば7回4失点で無念の黒星となったメッセンジャー。それでも「初回だけが悪くて、それ以外はいい球がいっていた」と前を向いた。

 虎一筋の“長寿助っ人”。今年は開幕から好投を続けているが、この裏にはこんな思いがあった。「8年いるけど、球宴に一度も選出されたことがないんだ。ずっと選ばれたいと頑張ってきたんだけどね…。一番の願いはチームの優勝だけど、個人目標としては球宴出場。選ばれたいと思ってもこればかりはコントロールできないから、まず自分にできることは結果を残すこと」

 本格的に先発転向した2011年から6年間で5度の2桁勝利、最多奪三振(13、14年)、最多勝(14年)のタイトル獲得など通算79勝を積み上げた超優良助っ人のメッセンジャーだが、意外にも球宴出場が一度もない。今年こそ、初の祭典出場を、と目の色を変えているのだ。

 そんなメッセンジャーのために球団も野球ファンに異例の呼びかけを行っている。球団幹部の一人は「なんとかファンの皆さんにご協力をいただいて、メッセの願いをかなえてあげてほしい。彼はタイトルや表彰を受けることをすごく意気に感じるタイプで、それがパフォーマンスにつながる。ウチにとってもいいことなんだ」と“清き一票”をアピール。18日に締め切られるファン投票での“ラストスパート”に期待を寄せた。

 1日現在、メッセンジャーは球宴ファン投票セ・リーグ先発投手部門で3位。これには「1位は菅野か。まあ彼は日本人だからね」というが、巨人のエースに負けていないという気持ちは当然ある。球宴出場という「勲章」を手にできるか。