早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)が28日、美来工科との招待試合(沖縄セルラースタジアム那覇)に「3番・一塁」で出場し、高校通算96号を放った。100号まであと4本、史上最多となる107号超えも視野に入ってきた。

 超特大弾が飛び出したのは8回、二死二、三塁で迎えた第4打席だ。初球を強振すると、打球は目を見張るスピードで降りしきる雨を切り裂いた。右翼防球ネット最上部を揺らす推定飛距離130メートルの超特大の3ラン。集まった観客を沸かせた。

「打った瞬間という感じで、完璧な当たり。沖縄に来てなかなか打ててなかったので、最後の最後で一本出てよかった」。ハード日程で練習に費やす時間が足りず、前日27日は2試合で6打数1安打と振るわなかったが、夜に約30分の素振りを行い状態を取り戻した。

 今回の遠征では課題の投手陣に奮起を促すため、野村(2年)、雪山(2年)の野手陣も登板を経験、それぞれ2回無失点、6回3失点と結果を残した。早実・和泉監督は「本来はピッチャー専門でやってきた者がやるべきだが、今回のことでピッチャー陣の自尊心もくすぶっているはず。いろんな意味で競争心をあおるため。チーム最強の投手陣で夏に臨めるよう、総力戦です」と狙いを説明した。清宮の登板はあるのか。2012年のリトルリーグ世界選手権では投打で活躍して全米で話題になった。「肩がね。(投手だった)リトルのときから何度か痛めていて、本人にもその気がない。そのつもりがない者にやらせることはない」と否定している。

「試験も終わって、こっから野球に集中するだけ。(100号まで)あと4本は周りから言われないと言ったらうそになるし、意識しないといってもうそ。でも、変わらずやるだけです」と清宮。魅せるのはあくまでバット。いよいよ怪物のカウントダウンが始まった。