日本高野連は17日、大阪市内で評議員会を開き、初の女性理事として、引っ越し大手のアートコーポレーション社長で関西経済連合会副会長の寺田千代乃氏(70)と、毎日新聞大阪本社総合事業局長の小笠原敦子氏(56)の2人を選任した。1946年に設立された前身の全国中等学校野球連盟の時代を含め、過去の理事は全て男性が務めてきた。

「来年は選手権大会100回の節目。高校野球200年構想として、次の100年への改革の一環。高校野球は女性の力なくしては成り立たない。昨年の女子マネジャーの練習参加(問題)がひとつのきっかけ。女性としての目でご意見、ご協力いただければ」と高野連の八田会長。2人の選任理由に関しては「小笠原理事については以前から高校野球の現場で存じ上げており、寺田理事については関西の財界で女性の代表が誰かいないかという話になったときに、適任者がいるとアドバイスをいただいた」と説明した。

 小笠原理事は「記者1年目のころから甲子園取材をしてきた。当時は女性記者はまだ物珍しかったが、近年は報道陣でも女性が増えてきた。これからの高校野球に関して、微力ながら何らかのお手伝いができれば」。寺田理事は「正直、女性理事がこんなに話題になるとは思わなかった。プロ、アマ問わず野球のことはわかりませんが、高校野球という国民的行事について勉強しながら企業経営者としての感覚、女性としての感覚を生かしていきたい」と抱負を述べた。