15日現在、阪神は3年ぶりに貯金を2桁に伸ばし、首位を維持している。開幕34試合目での「貯金10」到達は18年ぶりの優勝を決めた2003年の33試合目に次ぐスピード記録だが、そんな快進撃は経済界にも波及。まだ優勝マジックも点灯していないこの時期に、株式市場では早くもタイガース関連銘柄が続伸するなど、大盛り上がりなのだ。

 虎の勢いが止まらない。福留、鳥谷、糸井がけん引する打線が開幕から好調で勝ち星を量産している。それでもチームに慢心はない。休養日となった15日、金本監督も「変な意識? そういう心配はない。キャリアを積んでいる選手がいるから。主力で言えば上本とベテラン(福留、鳥谷、糸井)の3人。投手も(藤川)球児がいる」と油断なしを強調した。

 そんな中、経済界が大盛り上がりを見せ始めている。15日の株式市場、タイガースの公式スポンサーである上新電機は年初来高値(1334円、終値は1321円)を更新。1か月前の4月14日の終値1094円からチームの躍進と同調するように伸びている。

 これには上新電機広報担当者も「株価は市場が決めることですが、タイガースの好調な戦いも影響していると思います。間違いなくプラスアルファがある。阪神が勝つと人気銘柄になりますから。優勝が迫ったペナント終盤以外では珍しい。株価だけでなく、4月の来店者数、売り上げも例年を大いにしのぐ好調ぶりで大変喜んでおります」とホクホク顔。「タイガースが勝つことでオールハッピーになれる。ぜひ失速することなく交流戦も夏場の戦いも頑張っていただきたい。私どもの(中嶋克彦)社長も先日の(3月期の)決算発表で思わず『優勝セール』の話を自ら持ち出すなど、今年は大変期待しております」とエールを送るほどだ。

 また、親会社の阪急阪神ホールディングスも株価好調。15日の終値3885円は4月20日の年初来安値の3580円から300円以上上昇している。阪神が勝つとファンは喜び、財布のひもも緩む。そうして経済が活性化し、企業も潤う。このうれしい状況に球団関係者は「我々の戦いが影響しているのかも。今後も阪神を応援してくださる皆さんに喜んでもらえるよう頑張る」と決意している。例年以上の熱視線を浴びる金本阪神。まだシーズンは100試合以上残っており、気の早い話なのは百も承知だが、今後、暗転することがないよう期待に応えたいところだ。