【第46回RKK熊本招待高校野球大会=14日、県営藤崎台球場】早実(東京)が秀岳館(熊本)に1―5で敗れた試合で、異例の采配が見られた。

 9回二死無走者、2番・雪山が打席に入ると、秀岳館ベンチから伝令の川端がマウンドに向かった。「勝負したいんだったら、回せよ」。エース・田浦が立たせた捕手にボール球を投じるたび、スタンドからは大きな拍手が沸き起こった。不本意な表情で打席に入った清宮は、4球目で一ゴロに倒れた。

 異例の敬遠策に秀岳館・鍛治者監督は「甲子園で当たるかもしれない相手。(清宮と)川端は勝負したが、田浦はしてなかった。真剣勝負だからどうかなとも思ったが、田浦は試合前から勝負したいと言っていた。見方はいろいろあると思います。相手の監督には微妙かもしれないが、パフォーマンスでやったことではない。ファンの方に批判されるかもしれないということもわかっている。招待試合なので。甲子園ではあり得ない」と話した。

 試合後の早実の取材では、選手への配慮のためテレビカメラが入室NG。ピリピリした空気が漂う中、清宮は「いろいろと感じる部分はありました」と悔しさを押し殺して話した。敬遠された雪山が泣きながら球場を後にするなど、後味の悪さが残った。