【カリフォルニア州ロサンゼルス発】マリナーズの岩隈久志投手(35)は9日(日本時間10日)、敵地でのエンゼルス戦に先発し、6回を2安打1失点と好投した。勝ち投手の権利を持って降板したが、9回に救援陣が6点リードを逆転されてサヨナラ負けとなり、今季初勝利を逃がした。

 初回1点を先制してもらった岩隈は落ち着いたマウンドさばき。二死後、3番トラウトを四球で歩かせたが、4番プホルスをカウント1―2から真ん中高めのスプリットで中飛に打ち取った。上々の立ち上がりだ。

 2回は先頭シモンズに2ボールから内角低めのスプリットを左翼席に運ばれた。しかし、快音はこれだけ。この後はテンポ良い投球からボールを低めに集め、強打のエンゼルス打線をほんろう。カーブ、カットボール、シンカーの切れも良かった。

 熟練の投球の岩隈を打線が援護。3回には二死一、二塁からカノが勝ち越しの今季初アーチを中堅へ放った。5回は一死満塁でカノが右翼へ2点適時二塁打。さらにシーガーが中犠飛を放ち、7―1とリードを広げた。

 岩隈は6回一死から中前打を打たれ、暴投で走者を二塁に進めたが、3番トラウトを左直、4番プホルスを遊ゴロに仕留めた。この回で降板した。今季初登板から2試合連続のクオリティースタート(6回以上を投げ、自責点3以下)となり、安定感が際立っている。

 9回の攻撃を終えて、9―3とリード。岩隈は初勝利を手中に収めたと思えたが、9回に5番手で登板したフィエンが先頭プホルスにソロ弾を浴びるなど2安打2四球と一死も取れずに降板。急きょ登板したディアスもエンゼルス打線の勢いを止められず、二死満塁でプホルスに同点の2点適時打を浴び、最後はペニントンが右越えにサヨナラ安打を打たれ、まさかの敗戦となった。