高校野球春季東京都大会は9日、神宮第二球場で4回戦が行われ、早実は10―6と共栄学園に打ち勝ち、ベスト8へ駒を進めた。早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)は「3番・一塁」で先発出場し、3打数2安打1打点の活躍でチームの勝利に貢献した。

 激しい雨が降りしきる中での一戦で、不振が続いていた怪物に復調の兆しが見えた。初回一死二塁で迎えた第1打席、今季の公式戦初打点となる先制の中前適時打をマークし「初回の入りというところで意識していた。先制点ですし、チームに勢いをつけられたかな」。

 その言葉通り、早実は2回に一挙5得点で試合の主導権を握り、その後、雨足が強まり2時間弱の中断を挟んだが、流れを相手に渡さなかった。

 中断を含めると4時間20分もの長期戦に、清宮は「長い時間、間が空いてからも声を出して、いい雰囲気ができていた。こんなに長い中断の中、応援の人たちが待ってくれている。負けられないと思った」。自身の状態については「悪くはないかな。徐々に良くなってきている。まだ納得はいってない? もちろんです」とさらに修正を続ける。

 次はいよいよ準々決勝。復調した怪物は春の東京を制すことができるか。