<オリックス4-2日本ハム(7日)>オリックスのエース・金子千尋(33)が7日の日本ハム戦(ほっと神戸)で今季初勝利をマークした。雨と霧の悪天候の中で連打を浴びる場面もあったが、6回を5安打2失点の粘りの投球。チームは3連敗後の3連勝で実に3年ぶりとなる「勝率5割」に戻した。
「開幕で1勝挙げたかったけど、今日何とか勝ててよかった。1勝でも多く勝ちたい。ファンも僕たちも笑えるシーズンにしたい」とスタンドにアピールした金子だが、ここ2年間はエースとしての活躍ができていなかった。2014年オフに右ヒジを手術。出遅れた15年は7勝6敗、昨年が7勝9敗。球界最高年俸の5億円(推定)ながら球団内から「もう右肩下がりなんじゃないか」との声もあっただけに、今季は何としてもエースの威信を取り戻さないといけない。
そんな金子が励みにしているアスリートがいる。ドイツ・ブンデスリーガのアウクスブルクに所属するFW宇佐美貴史(24)だ。昨夏にガンバ大阪から移籍。出場機会に恵まれない厳しい環境ながらも必死にプレーし、日本代表にも招集されている。かねて親交のある金子は「人間的にもしっかりしていて常にサッカーのことを考えている。見た目もいい。会ってみてさらに応援したくなる選手です。プレーもすごいし、人と違う動きをする。彼なら海外でも結果を残せると思う。テレビで見ていますよ。自分も頑張んなきゃ、と思いますね」と熱い視線を送っている。
金子も一度はメジャー挑戦を夢見た男。ドイツで奮闘する宇佐美の姿に勇気づけられ、エースとしてチームを浮上させる覚悟だ。