<巨人5-3阪神(7日)>巨人期待の若武者は、このままレギュラーに定着できるのか。3試合ぶりスタメンの岡本和真外野手(20)に、初回から最高の場面が巡ってきた。阪神先発の岩貞から1点を先制し、なおも二死満塁。カウント2ボール1ストライクからの4球目を振り抜き、三遊間を破る2点適時打を放った。

 さらにこの日は、5回にも一死から中前へのクリーンヒットで出塁。直後に代走を送られたが、序盤の一打が効いてチームは逃げ切り勝ち。2安打2打点の活躍でヒーローとなった岡本は「試合に出させてもらっている以上、なんとか貢献したいと思っているのでよかった。一軍にいる限り、結果を残して食らいついていきたい」と話した。

 今季は3年目で、初めて開幕スタメンの座を手にした。しかし4試合で10打数1安打と結果を残せず、5日のDeNA戦(横浜)からベンチへ。練習では江藤、二岡両打撃コーチに加え、最近は村田真ヘッドコーチまで加わって打撃改善に取り組むなど、再び“迷走”の気配が見えていた。

 期待が大きいあまり、現場に足を運ぶOBや評論家からも、日替わりで助言が飛んだ。おとなしい性格の岡本を心配して、周囲からは「できれば、和真をそっとしておいてほしいんですけれどね…」というボヤキも漏れていたところだった。

 状態は万全とは言えず、大器への成長は、道半ば。それでも、ひとまず“結果”が出たことは大きい。由伸監督も本心では岡本をレギュラー候補として期待しているが、実績もなく、打てない選手を使い続けることが難しいのが巨人。この日も音なしで終わっていれば、再び出番が限られる可能性もあった。

「チームにとっても大きいし、本人も自信にしてこれからもっともっと頑張ってくれれば」と語った指揮官はホッとした様子だった。ただ、左翼レギュラーは明言しておらず、今後も重信らとの競争は続く。「阪神との試合はなんかわかんないけど、気持ちが入ります」と“ゆるトーク”をかまし、甲子園のG党を喜ばせた岡本。時間を与えられている間に、どれだけアピールを重ねられるかが勝負だ。