日本ハム・斎藤佑樹投手(28)が6日のロッテ戦(ZOZOマリン)に今季初先発初登板。左翼から本塁方向へ最大13メートルの「マリン風」と格闘しながら5回0/3を6安打3失点で初黒星を喫するも、表情にはどこか満足感があふれていた。

 栗山監督が「100%打たせないという投手ではなく、球の良さを意識させながら、今日で言うと風を利用しながらどう打者を料理するかという投手。そういうところをこっちは求めているから形的にはこれでいい。佑樹のやってきた方向性は間違っていない。今日はポンポンと点を取ってあげたら勝てた試合。本当にオレの責任」と振り返ったこの日の斎藤は、最速141キロの直球とツーシームにカットボール、フォークボールをちりばめ試合を作っていた。

 だからだろう。負け試合にもかかわらず背番号1の声は弾んでいた。「(風の影響で)全部の球が曲がり過ぎてしまうので厳しくコースを狙わないように大胆に行きました。勝てなかったことはすごく悔しい。素直に今日の投球を喜べないが、スタートとしてはいいスタートが切れた」。近年にないシーズン初登板の手応えを語ったが、その満足げな表情は2カード連続の負け越しでロッテと並んで最下位に転落したチームの敗戦トーンとは明らかに一線を画していた。

 本紙評論家・前田幸長氏は「チームが負けたことを受け入れてうれしい感情は自分の中にとどめておいた方がいい。自己満足に浸るのは現場を離れてからで十分」と斎藤の振る舞いに注文を出した。プロならば追求すべきは、なんといっても結果のはずだから…。