阪神が26日のオリックス戦(京セラドーム)に2―4と惜敗。先発したベテランの能見が5回4失点と不安定だったものの、チームとしては今オープン戦18試合10勝6敗2分けで終了。2年連続セ・リーグ1位(両リーグでは4位)の“好成績”でシーズンに突入することになった。

 金本監督は「手応えと言うほどはねえ…。投手の方は備えが何人か出てあるかな、という感じ。安心感は逆に去年の方があった。去年の中盤以降、皆、経験積んだからその時よりは力ついてきたとは思うけど…。全体的にはレベルアップできたかな、という感じ」と冷静に総括し、ナインを手放しで褒めるまでには至らなかった。

 不安なのは8戦連続3点以下の得点力。5年目・北條など調子を落とす選手も出てきており、指揮官は「(全体的に)秋季キャンプの時と比べるとスイングのスピードもパワーも落ちている。去年の時ほど振れるように、とは言わないが…」と苦言。さらには糸井のFA加入で楽しみになった新打線についても「固定できるまでの実力はない。1年これで、とドーンと固定したいけど、そこまでの選手8人はいない。流動的になってくる」と改めて2年連続の“日替わり打線継続”を断言したほどだ。

 就任2年目の今季も期待と不安が入り交じった1年になりそうだが、一方で指揮官にとって“朗報”もある。ある電鉄本社幹部は「去年の今の時期、関西の財界では『金本監督なら優勝できる』で大盛り上がりだったが、今年は自然体。期待の大きさは変わらないが、やはり簡単には結果が出ないということが経営者に浸透している。順位よりも金本監督がどうやって若手を育てていくか、そっちの方に興味が大きくなっている」という。つまり、昨年のような“V重圧”は激減したというワケだ。

 いずれにせよ、開幕まであと4日。「皆が自覚を持っていい準備をしていくしかない」。鉄人の手腕に注目だ。