阪神は8日のロッテとのオープン戦(甲子園)に3―2で勝利した。初回に原口の適時打などで3点を奪い、8年目右腕・秋山が5回1失点と好投。投打で収穫ありのゲームだったが、試合後の金本監督は厳しい表情だった。

 守備で4失策(鳥谷2、北條1、高山1)が飛び出したからだ。5回には二塁・鳥谷のエラーで出塁した走者を左翼・高山の落球で生還させる醜態。指揮官は「これがキャンプだったら、すぐにでも特守をやりたいんだけど…。でも、甲子園だからそれはできないけどね」といらだちを隠せない。昨季、チームはリーグワーストの97失策だったこともあって、守備の安定は今季の大きなテーマ。それなのに凡ミスが一向に減らないのだから無理はない。

 昨季は野手陣の失策の多さに金本監督が「投手がヤル気をなくさないようにしないといけない」と気をもむこともあった。球団幹部は「打たないよりも守れない方が心配なんだ。打てないは相手があることだが、守れないは違う。投手からしたら『何をやっているんだ』となる。143試合、長いシーズンを戦う上でチームの和が乱れることが何よりも心配。守りへの意識をもっともっと強くしないと」と表情を曇らせるばかりだ。

 31日の開幕まで3週間ちょっとのこの時期に、またまた露呈してしまった虎の“守乱問題”。ミスはつきものながら、相も変わらず今年も野手陣が守備で投手の足を引っ張り続ければ、それこそどうなるか…。チーム内には不安とイライラが募っている。