【アリゾナ州フェニックス28日(日本時間1日)発】レンジャーズがダルビッシュ有投手(30)に巨額年俸で再契約をオファーか。レンジャーズのオーナー、レイ・デービス氏がキャンプ地で取材に応じ、チームの今後についての見解を述べるとともに、エースの残留に注力する意向を明言したのだ。今季が6年契約最終年となるダルビッシュについて複数の米メディアはオフのFAの目玉に挙げ、年俸3000万ドル(約33億8000万円)を超える争奪戦になると予想している。どうなるか。

 デービス氏が担当記者の取材に応じるのは珍しいことだ。しかもなかなかインパクトがある内容とあって各記者は一斉にツイッターで速報した。レンジャーズ公式サイトのTR・サリバン記者は「デービスは本気でダルビッシュを残留させたがっているようだ」とつぶやいた。また、ダラス・モーニング・ニューズ紙のエバン・グラント記者は「今季、ダルビッシュのサイ・ヤング賞獲得を期待するとオーナーが語った」と伝えた。

 さらにスター・テレグラム紙のジェフ・ウィルソン記者は「オーナーはワールドシリーズ制覇のためには選手の総額年俸の上昇も辞さないだろう」とツイート。「ダルビッシュがフリーエージェントとなる前に契約延長の可能性はある」とも予想した。

 昨年12月末にダニエルズGMはチーム編成が一段落する春にも契約延長交渉を始めると発言。その後、球団とダルビッシュ側が交渉の席についたという報道はないが、今回のデービス氏の発言を受け、進展があるかもしれない。

 ダルビッシュは今オフのFAの目玉の一人だ。各メジャー球団、各米メディアがその去就に注目している。そんな中、米スポーツ専門局ESPN(電子版)がダルビッシュを今オフのFA市場の1位にランク付けした。評価したのはレッズ、ナショナルズでGMを務めたジム・ボーデン氏だ。

「ダルビッシュが健康で2017年にサイ・ヤング賞クラスの活躍をすれば、年俸3000万ドル以上の契約を手にすることができるだろう」とした。ちなみに2位は15年にナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたジェイク・アリエッタで、3位はゴールドグラブ賞を3度受賞している強打の外野手、ロイヤルズのエリク・ホスマーだった。

 担当記者らによればデービス氏は「レンジャーズの毎年の目標はワールドシリーズに勝つこと」とも発言。大争奪戦が必至のダルビッシュとの再契約資金は“青天井”になりそうだ。

 右ヒジの手術から昨年5月にカムバックし、今季は完全復活が期待されるダルビッシュは2月26日(同27日)にロイヤルズとのオープン戦に初登板して、1回2/3を1安打無失点、2三振2四球。速球のMAXは154キロをマーク。今季の活躍を予感させる内容だった。次回は2日(同3日)にチームの実戦形式の練習で投げる。

 果たしてダルビッシュは今季、サイ・ヤング賞クラスの活躍をすることはできるのか。

 メジャー各球団関係者、日米のファンが注目している。