阪神の沖縄・宜野座キャンプで新主将・福留孝介外野手(39)と前主将・鳥谷敬内野手(35)、FA移籍で新加入の糸井嘉男外野手(35)の結束が目立っている。いずれも実績十分の高給取りの虎のBIG3だが、この状況に球団フロントはニンマリ。早くも3人の団結効果を大いに期待している。

 年俸2億3000万円の福留、5億円の鳥谷、4億5000万円の糸井(金額はいずれも推定)。今キャンプでは、この虎のBIG3が一気に絆を強めた。右ヒザの故障の影響で初日から別メニュー調整が続く糸井がチームメートと交流機会が少ないことに思い悩んでいると、福留と鳥谷が動き、食事会で互いのことやチームの現状などを語り合った。今ではグラウンドでも練習の合間に3人揃うと、野球談議に花を咲かせている。糸井は2人について「勉強になる」と言い、大いに刺激も受けている様子だ。

 この光景に球団フロントはニンマリしている。「ウチにとって福留、鳥谷、糸井はシーズンを通して欠くことのできない選手たち。彼らが助け合ってやってくれれば上にいける。一流同士で高年俸選手。『活躍して当然』という重圧を受けながら戦う者同士。同じ境遇の人間にしか分からないことがある。そういう存在が身近にいるのは心強いはずだからね」

 3人とも期待に応えられなければ容赦ないバッシングが浴びせられる立場。たとえ一流選手でも大きなプレッシャーにくじけそうになったり、不調によって思い悩む時もある。そんな時に同じ目線で相談したり、助言を求められる存在がいれば、それぞれにとって大きいだけに、球団フロントはもともと今キャンプでは3人のやりとりを注視していた。それが期待以上に団結してくれたからだ。

「福留、鳥谷、糸井がすごくいい関係を築いてくれている。シーズンが非常に楽しみ」と別のフロントも言う。阪神にとってはこれだけでもシーズンに向けて手応え十分なのかもしれない。