巨人の新助っ人、ケーシー・マギー内野手(34=前タイガース)が23日、沖縄で休日返上トレを行った。ヤングGが鍛錬を積む場で元メジャーリーガーが汗を流すレアな空間となったが、野球に対する真摯な姿勢と愛すべき人柄でチーム内の評判はうなぎ上り。V奪回に向けた頼れる助っ人になりそうだ。

 今キャンプ最後の休養日となったこの日、意外な男の登場に室内練習場がにわかにざわついた。午前中に球場一番乗りで到着した車から重信とともに姿を見せたのがマギーだったためだ。その後、岡本や辻ら若手野手たちも自主練習に訪れたが、助っ人が自ら休日を返上するのは珍しい。およそ1時間、ティーとマシン打撃で調整したマギーは「野球が好きだし、気分が向いたからね。部屋で座って何もしないよりも汗をかいた方がいい」とサラリ。そして「午後の予定? 宿舎に帰って、もう1回ここに来るよ」とジョークを飛ばして報道陣を笑わせた。

 そんな助っ人についてチーム内では「野球に真摯に取り組む真面目なナイスガイ」ともっぱらだ。まず球団スタッフを驚かせたのは1月下旬に来日した時の風貌だった。巨人ではシーズン中にヒゲを生やすことが禁止されているが、マギーはさっぱりと剃り落として到着ロビーに現れ「あの時点で、その“ジャイアンツルール”は伝えていなかったはずだが、代理人に聞いて学んだのか…。その熱心な姿勢にビックリした」という。

 さらに、2013年に在籍した楽天から去る際の周囲への気配りからも、その人柄が垣間見える。全144試合に出場して打率2割9分2厘、28本塁打、93打点の好成績を残し、球団史上初の日本一に大きく貢献。楽天でプレーしたのはこの1年間だけとなったが、帰国する前に当時世話になった首脳陣やスタッフに感謝の気持ちを込めて記念のジッポーライターを10個以上も作り、手渡していった。

 帰国後もマギーが「恩師」と慕い続けた当時の楽天打撃コーチだった巨人・田代二軍打撃コーチも特製ジッポーをもらった一人で「あんなにいいヤツはなかなかいないよ。彼がジャイアンツ球場に初めて来た1月28日に『まだジッポーを持ってるぞ』と言ったら、喜んでいたね」と再会をうれしそうに語った。

「優勝が究極で唯一の目標。チームのために貢献したい」との言葉を残して球場を後にしたマギー。V奪回へ大きな原動力となりそうだ。