“将来の大砲候補”として期待される阪神のドラフト1位・大山悠輔内野手(22=白鴎大)がもがき苦しんでいる。16日の韓国サムスン戦(宜野座)も4打数無安打1三振でまたも初安打はお預け。これで紅白戦2試合、対外試合2試合で計12打数無安打と早くもプロの壁にブチ当たっているのだ。

「結果が出ていないからといって当てにいく打撃をしても意味がない。疲れているのは当たり前ですが、その中で自分のスイングができるかが課題です」(大山)。そんな新人を自らの“肝いり”で一軍抜てきした金本監督は「まだまだアマチュアという目で見ないとね。ただテークバックが前に行かずに後ろに残っている。あとはスイングスピードが速くなれば…。雰囲気はある。打つと思うよ」とフォローしたが、今後この試行錯誤が続くことで危惧されるのが二軍など他ナインからの“やっかみ”だ。

 ある球団幹部はこう指摘する。「監督が大山を一軍で大きく育てようとするのは皆、理解している。でも、この状態が変わらなければ二軍にいる選手らは面白くないと感じるはず。そうならないためには実戦で結果を出すのが一番だが、ダメでも印象を良くするには今の練習メニューをしっかり全部こなすこと。他の選手はそういう姿勢を見ている。弱音を吐かずタフなところを見せておくべきだ」

 高知・安芸二軍キャンプでは昨年ファーム2冠王の4年目・陽川やスイッチ打者転向中の大和ら一軍経験組が“お呼び”を待っている状態。大山が初体験となるキャンプでの猛練習に耐えることで心証を良くしてもらうしかないという。

 鉄人が将来性にほれ込みドラ1で獲得した大山。やはり名刺代わりの一発を早く見たいところだが…。