大下氏が挙げる阪神浮沈のキーマンは…

2017年02月14日 11時00分

福留(左)、鳥谷(中)と話す大下氏

【大下剛史 キャンプ点検=阪神編=】2年目・金本知憲監督(48)率いる阪神の沖縄・宜野座キャンプを本紙専属評論家の大下剛史氏がチェックした。北條史也内野手(22)や高山俊外野手(23)ら楽しみな若手が多い中、大下氏が着目したのはベテラン・鳥谷敬内野手(35)。12年ぶりのリーグ制覇に向けてのキーマンに挙げた。

 

 球場に到着するなり、出迎えてくれた金本監督の表情はとても明るかった。それだけでいいキャンプが送れていることは分かったが、阪神が上位をうかがうために避けては通れない問題がある。それは“鳥谷問題”だ。

 

 昨季の打率はプロ入り後、最低の2割3分6厘。守備でも12失策と精彩を欠いた。急成長を遂げる北條に追い出され、これまで守り続けてきた遊撃手のポジションを明け渡した格好だ。立場として厳しいことは明白だろう。しかし、私はこの鳥谷こそが今年の阪神の浮沈の鍵を握っていると考えている。

 

 確かに若い力はチームが進化するために必要だ。北條はポテンシャルが高く将来的に阪神を背負う選手。それでも一軍でやったのはたった1年だということを忘れてはいけない。若い選手というのは勢いはあるが、シーズンを通してみれば計算できない部分もある。そこで不可欠なのが経験豊富な鳥谷。ここぞというときに頼りになるのはベテランの底力というものだ。

 

 鳥谷自身、自分が置かれている立場は分かっているはずだ。今回の訪問の際、福留とともにあいさつに来てくれたが、これまでの寡黙な選手という印象とは違った快活な姿に驚かされた。練習でも誰よりも声を出し、時折、笑顔をのぞかせるなどしていたが、そんな言動は「変わらないといけない!」という強い思いがあるからこそだろう。本当に殻を破ることができれば、あと3、4年は第一線でやることはできると断言できる。

 

 何より金本監督自身が「なにくそ!」という鳥谷の反発力に期待をしているはず。現役時代、自分自身が反骨心を力に変えてきた男だからだ。これまでの実績を鑑みれば、鳥谷はそんじょそこらのプレーヤーではない。それは監督も十分理解している。台頭する若い力のなかで鳥谷をどう起用するのか。2年目・金本監督のかじ取りに注目していきたい。(本紙専属評論家)