阪神のドラフト1位・大山悠輔内野手(22=白鴎大)が、沖縄・宜野座キャンプ第1クール最終日の5日、まさかの“先輩イジリ”で脚光を浴びた。

 野手組の全体練習メニューであるベースランニングでのこと。今季から新主将に就任した福留が、鳥谷を二塁ベースに向かわせ、打席には新助っ人のエリック・キャンベル内野手(29=前メッツ)を指名。大山を本塁ベース前に陣取らせた。キャンベルが単打を想定してスイングすると、二塁から走者・鳥谷が勢いよく走りだし三塁を回って本塁へ。すると、大山が「スライディング!」と指示。その通りに鳥谷が果敢に足から滑り込むと、何とすぐさまその大山が「アウトーッ!」。これには選手、スタンドのファンが大爆笑となった。

 実はこれ、福留の入れ知恵で大山は「最後までやっていいのか迷ったけど、福留さんから『アウトと言え』と言われたので…」と釈明するのが精一杯。そんなたじたじの新人に金本監督も「もっと派手にやってほしかった」と注文をつけたほどだった。

 大山は今どき珍しいほど真面目で朴とつとしたタイプ。そんなルーキーにはチーム内から「成功したいならもっと殻を破れ」との指摘が出ている。ある球団関係者は「この世界は実力だけではダメ。プレー以外で目立つことも大事だし、先輩やチームメートにかわいがられないと。そういう努力も必要。特に監督はそういう選手を好む。少しヤンチャな北條とかは性格的に買っている」と今こそ“脱マジメ”を訴えた。

 開幕一軍を目指す大山にとっては毎日がアピールの場。この日は先輩から“おいしいアシスト”をもらって笑いを取ったが、受け身ではなく自発的にやることが大切というわけ。“将来の4番候補”がイメチェンを図れるか。