キャンプ三軍スタートとなり、ジャイアンツ球場での調整が続いている巨人・山口俊投手(29)に、同じFA組で古巣の先輩でもある村田修一内野手(36)が強烈メッセージを叩きつけた。

 一軍が宮崎キャンプ最初のオフとなった3日は主力ナインが休養に努める一方、二軍メンバーはひむかスタジアムを中心に練習に明け暮れた。ただ、キャンプ直前に三軍へ振り分け変更となったFA右腕の姿はそこになし。村田真ヘッドコーチは「(山口俊が)周りを見ながら飛ばし過ぎるよりも自分のペースでやってほしい。焦る必要はない」と変更理由を説明していたが、右肩の違和感が完全に拭えていないための措置だった。

 球団関係者によれば「二軍キャンプは、体が元気な選手を鍛える場。今年はリハビリを要する選手のための“医療班”を三軍に置いている。無理をする状況でないことを考えれば、三軍の方がベターとの判断」。一軍合流を焦らせず、3月以降のオープン戦での復帰を目標とする球団、首脳陣の方針に、本人も納得しているという。

 とはいえ、どんな経緯があるにせよ「三軍スタート」という事実は、周囲に良い心証を与えない。そんな空気に反応したのが村田だった。今オフは山口俊のために食事会を開き、新天地で成功するための助言も送ったが、巨人が甘えが通じない場所であることは、身をもって知っている。

 それだけに村田は「お前、何しに来たんだ!?」と後輩を一刀両断すると「暖かいところ(那覇)に行くまでには帰って来い!!」と遠く宮崎からゲキを飛ばした。一軍は14日から那覇で2次キャンプを張る。山口俊に慎重な調整が求められるのは、村田も十分わかっている。それでも言わずにいられなかったのは「お前の居場所はそこじゃないだろう」という“愛の叱咤”にほかならない。

 当の山口俊は「最悪でも開幕には100%に」と語っていたが、村田の思いは届くか――。