阪神がFA新加入の糸井嘉男外野手(35)の右ヒザ関節炎発覚にショックを受けている。沖縄・宜野座一軍キャンプでは当面の間、別メニュー調整となるが、右ヒザなどに古傷を抱えながら猛練習好きの糸井には球団サイドも早くからオーバーワークを危惧。それがキャンプインを待たずして不安的中の格好となったからだ。

 糸井の右ヒザ故障発覚から一夜明けた25日、球団は今後の対処に大わらわだった。2月1日からの宜野座キャンプでは各テレビ局からの糸井への個別取材が殺到したが、今回のアクシデントですべてを当面の間キャンセル。「タテジマのユニホームを着て躍動する糸井選手をいち早く撮りたかった…」とテレビ局関係者も残念がったが、そのショック度は球団の方が大きい。

 オリックス時代のキャンプでも別調整を余儀なくされるなど糸井に右ヒザ、右足首などに古傷があることはもちろん、阪神サイドも熟知。「もともとが大の練習好きな上に、新しい環境で力も入っている。あまり張り切らないよう誰かが注意しておかないと…」(球団幹部)とオーバーワークを不安視したのが、ものの見事に的中してしまったからだ。

 ある球団スタッフは不安そうにこう話す。「気になる兆候。実はオリックスの関係者から『糸井の古傷の右ヒザの状態は想像以上に良くない』と聞いていたから。『広い甲子園で守備力も期待されているが、頼りにしていたら痛い目に遭う』ともね…」。

 球団幹部の一人も「超人といっても35歳で万全の体であるわけがない。今回、大きな故障ではなかったのは幸い。そうならないようチームを挙げて目を光らせていかないといけない」と警鐘を鳴らした。

 4年総額18億円(推定)の大型契約でFA加入の糸井が戦う前からぶっ壊れてはシャレにならない。もともとは糸井本人が金本監督に売り込んで獲得が実現した経緯もある。もしも故障でまともに試合に出られないなんてことになったら、それこそ…。「金本監督を胴上げするため必死になってチームに貢献したい」と話していた糸井の右ヒザ故障。大金がかかっているだけに球団サイドはやはり気が気でない。