巨人・村田修一内野手(36)が23日、今季初めてジャイアンツ球場で自主トレを行った。3年契約最終年だった昨季はチームでただ一人、全試合スタメン出場を果たしたが、今季は一転して1年契約。いよいよ安泰な立場が失われた中、村田はどんな心境で巨人6年目のキャンプを迎えるのか。その胸中に迫った。

 坂本、長野らとのグアム自主トレから21日に帰国した村田はこの日、ランニングやティー打撃などで調整。今季のノルマとする2年連続の全試合先発出場と打率3割に向け、キャンプのテーマには「1年間、試合に出られる体づくりとフォームづくり」を掲げた。ただ、時は止まってはくれない。村田も昨年12月28日に36歳に。加齢ばかりはどうにもならず「酒が飲めなくなったな…」としょんぼりしつつも「肩、ヒジは元気。レギュラーでしっかりやらないといけないし、世代交代させるつもりはない」とキッパリ言い切った。

 そんな村田を取り巻く環境は年々厳しさを増している。今年は一、三塁をこなす強打者のマギー(前タイガース)が加入。強大なライバルが出現するとともに、球団の評価を表す契約面も大きく変化した。3年総額10億円の大型契約は昨季をもって満了。今季は複数年ではなく、推定年俸2億2000万円(8000万円減)の単年契約となった。この現実を、本人はどう受け止めているのか。

「3年間野球をやらせてもらえましたし、契約が1年にはなったけれど、これをまたいい方向へ持っていければいい。外国人(マギー)も入ってきましたし、(岡本など)若い選手もいる。それに負けないようにやっていきたい」

 昨季こそ3年ぶりに打率3割を超え、25本塁打、81打点と好成績を残した。しかし、14年と15年は不振にあえいだ。そのため、3シーズンをトータルしたダウン提示にも納得して判を押した。

「複数年の時も『3年あるな』と思って野球をやったことはないです。若いころだって一年、一年が勝負だった。その中でレギュラーを取って、今までやってきましたから。1年ごとが勝負ということは変わらない。今年はまたもう一度、勝負しようという気持ち。肝臓が弱くなったのは本当にショックで、今はノンアルコールビールでも酔う(笑い)。でも、まだあと数年は野球を頑張りますよ!」

 複数年契約の“打ち切り”を前向きに捉え、再び不屈の精神で激しい競争に勝ち残るつもりだ。