“浪花の春団治”こと阪神・川藤幸三OB会長(67)が18日、藤浪晋太郎投手(22)に“3大要求”を突きつけた。昨季7勝11敗、防御率3・25に終わった右腕の巻き返しを期待するからこその注文。それは「フォームをコロコロ変えるな!」「大谷を超えろ!」「パパラッチされるな!」だ。

 藤浪は今オフ、自主トレをともにしたレンジャーズ・ダルビッシュを参考に新フォームに着手。並々ならぬ決意で雪辱に燃えているが、この日、大阪市内のホテルで行われた「甲子園歴史館運営会議理事会・定例報告会」に出席した川藤会長はそれにあえて苦言を呈した。「(藤浪自身が)発展途上やから人様の話を耳に入れて参考にするのはいい。ただ、それで『今年はこうしよう』とかガタガタする必要はない。てめえの生き方ややってきたことに自信を持てばいいんや!」

 昨季の藤浪は投球フォームを変更することが多く、試合中のマウンド上でも迷走する場面が目立った。他ナインからも「考えすぎだ。試合中に悩むことではない」など批判を浴びることもあったほど。そんな中、川藤会長は、今季はそんなことがないように最後まで自分の考えを貫くべきと訴えたのだ。

 さらに「大谷(日本ハム)という良いライバルがおるやないか。高校のときは藤浪のほうが勝っていたが、今は負けている状況。だけど今で終わるわけやない。『絶対、大谷に勝ったるんや』というものを見せないといかん」とピシャリ。藤浪自身は大谷に関する発言をあえて控えているが、川藤会長は、そうではなく今年は同世代の大谷へのライバル心を表に出して燃やし、乗り越えることを求めた。

 今月上旬から藤浪がスタートさせた一人暮らしについても警告だ。「一人で生活するということは責任がついてくる。週刊誌なんかも気をつけないとあかん。フラフラしていたら撮られてしまう。そこをしっかりやるのも選手として大事なんや」。女性人気も高い藤浪だけに“パパラッチ”が狙いを定める可能性もある。週刊誌をにぎわせた揚げ句、成績を落としてしまえば話にならない。優勝を目指すチームの士気に影響するだけに厳重に注意しろ、というわけだ。

「優勝を目指して力になれるようやっていきたい。200イニングは投げたい」と意気込む藤浪への川藤会長の注文。「村山さん、江夏さん以降、日本のエースになれるような立場のピッチャーが阪神から出てきていない。藤浪にはそうなってほしいんや」と期待するがゆえの3大要求だ。