【核心直撃】西武・中村剛也内野手(33)が復権をかけ、4年契約最終年となるシーズンに臨む。初タイトルを獲得した2008年から9シーズンで6度の本塁打王、3度の打点王を獲得。しかし、度重なる故障の影響で3年続けて活躍した経験はない。昨年も右ヒザ痛に左股関節痛、腰痛などが重なり出場108試合で打率2割3分8厘、21本塁打、61打点と低迷。「最低最悪なシーズン」と吐き捨てた屈辱をどう振り払うのか。手負いのおかわり君の胸中に迫った。

 ――右ヒザを含めた体の状態は

 中村:まだまだです。(昨年よりは)いいですけどね。

 ――ケガをしたことでできなくなった動きもあるのか

 中村:どうだろうね、分かんない。他のところでカバーしていくしかない。

 ――周囲の筋肉を鍛えていくということか

 中村:そうね。

 ――劇的には良くならないことを覚悟している

 中村:どうかな。去年みたいな痛みが出なければ全然できるんですけど、去年はきつかったから。今は結構痛みがないからできる範囲で打撃練習をしたりしている。

 ――筋トレもケガをしない体づくりのため

 中村:そうですね。今のところいろいろやっている。

 ――ヒザの痛みさえなければやれる自信はある

 中村:そこまで自信はない。もともとそこまで自信を持ってやっていない。基本、危機感を持ってずっとやっているけど、しっかり結果を残すように毎年やっている。ケガはケガだし、それを起こしてしまったのも自分自身なので。

 ――食事を含めた体質改善は

 中村:体重管理はそんなにしてないけど、食べる量は減らしている。

 ――8月で34歳。キャリアの晩年を意識しながらプレーするのか、まだまだもう一花咲かせるつもりなのか

 中村:両方だね、それは。毎年、勝負の年だから。(年齢の壁とは)全然闘っていない。

 口数が少ないのはいつものことだが、度重なるケガとの闘いで物言いは慎重だった。昨年、ファーム降格中に中村の打撃を見た赤田将吾二軍打撃兼外野守備走塁コーチ(36)は「夏場にフライヒッターがゴロアウトの山を築いていた。ボクは個人的に腰痛の影響なのではと思う。バットがボールの下に入り切らないのは下半身が伸びきって沈み込めないから。体幹が弱っているように見えた。ホームラン打者として体重を維持しながらキレを出すというテーマが年齢的にも難しくなってきている」と指摘する。

 希代のアーチストにとって今季が正念場となることは間違いない。