巨人の新人合同自主トレが9日からジャイアンツ球場でスタート。高橋由伸監督(41)ら多くのコーチ陣が集結する中、ルーキーたちはプロの第一歩を踏み出した。その中で首脳陣の度肝を抜いたのはドラフト7位・廖任磊投手(リャオ・レンレイ=23、台湾)だ。圧巻の打撃を見せつけ“二刀流育成プラン”まで急浮上した。

 新人15選手は由伸監督や首脳陣、大勢の報道陣の視線を浴びながら室内練習場でランニングやキャッチボールなどのメニューを消化。視察を終えた由伸監督は金の卵たちに目を細めつつ、環境が激変した自分の入団1年目に「カゼをひいて(メディアに)メチャクチャ叩かれた」という苦い経験から「廖もそうですけど、みんな若いし張り切りすぎてね。あまりオーバーワークにならないように、とは思う。ケガとかすることもなくはないと思うので」とピシャリ。期待するがゆえに、注文を付けることも忘れなかった。

 中でも初日から大ハッスルしていたのは廖だ。キャッチボールの段階から投球練習並みの剛速球を披露。さらに、本職ではないはずの打撃練習でますます衝撃が広がった。ティー打撃ながら201センチ、125キロの巨漢から繰り出される豪快なスイングに現場はビックリ。廖が放つ野手顔負けの鋭い打球で、天井からつるされた防球ネットは大きく波打った。これには村田真ヘッドコーチも「立派なティーをしとったなあ」と舌を巻き、江藤打撃コーチも「よう振っていたねぇ。投手だけどインパクトが強い。野球センスがあるということなんだと思う」とうなるばかりだった。

 実は廖自身、公式記録にこそ残っていないもののプロ入り前に「ホームランは打ったことがあります」といい「(打撃が)うまいのかは分かりませんけど、飛ばすことは好きです」という。

 非凡な才能を見せつけた廖をめぐっては早くも「今日だけで判断するのは早いかもしれないが、廖に関しては可能性があるなら投手だけではなく打つ方も伸ばしながら育てていくのもいいかもしれない」(チームスタッフ)と“二刀流”を推す声まで噴出した。ドラフト史上最大の大型新人として注目を集める廖。その育成法もまた規格外ということか。