巨人が“怪物獲り”へ早くも本気モードだ。3年ぶりのV奪回を目指す盟主は今オフ大補強を敢行しただけでなく、スカウト体制も刷新した。これまで以上にドラフト重視の姿勢を打ち出し、超目玉候補の早実・清宮幸太郎内野手(17)の徹底マークを宣言している。怪物スラッガーの動向については、来季が就任2年目となる高橋由伸監督(41)も興味津々。なんと指揮官自ら電撃視察を行う可能性も浮上している。

 年始から巨人のスカウト部は岡崎新部長の下で動きだす。その狙いは、すでに定まっている。岡崎氏は怪物・清宮について「今の時点ではトップクラス。誰が見ても」と評価するとともに「量的にも回数的にも増やしていく」と徹底マークを宣言している。

 清宮の進路に関しては早大進学が濃厚との情報もある。それでもドラフト前になって、プロ入りへ転じた選手は枚挙にいとまがない。スカウトの一人は「進学と決めつけず、まずは相手側にこちらの誠意と評価を示したい。彼の力をしっかりと見極めることも重要」と話した。

 久々の超高校級といえる打者の出現には“アマ野球通”の由伸監督も高い関心を寄せている。日本ハム・大谷についても「どちらか選ばなければいけないのなら、野手だね。毎日見たい選手だからね」と一貫して言い切るほど、スラッガーへの思い入れは強い。

 以前には「一流投手は毎年出てくるけれど、清原さん、松井さんのような、本当に一流のスラッガーはなかなか出てこない」と語っていたが、清宮に関しても「すごいバッター。プロに行くか、大学か注目している」と高く評価している。

 ただ、2年連続で野手を1位指名するのは、相当な覚悟がいる。清宮がそれに足る素材なのか。由伸監督は意見を求められた時のため、しっかりと自分の目で見極めたいとの思いもあるようだ。「実は映像から得られる情報って案外少ない。実際に球場でネット裏から見ないとわからないことが多いんだよね」と電撃視察の可能性を示唆している。

 由伸監督は「補強は必要だけれど、チーム強化の基本はドラフト」と常々持論を口にしてきた。怪物・清宮の品定めに自ら乗り出すのか注目だ。