阪神が、ドミニカ共和国出身の“仲良しコンビ解体”を巡って気をもんでいる。球団は今オフ、守護神候補のマルコス・マテオ投手(32)の残留を決め、一方で同じくリリーフのラファエル・ドリス投手(28)との契約を更新しなかった。右ヒジ痛に苦しんだドリスは帰国後に手術に踏み切ったが、球団は実績を考慮して術後の経過次第で再契約を検討。今も去就が不透明な状況だ。

 そんな中でマテオが自由契約の身となっている“弟分”ドリスの残留を望んでいるという。昨オフ加入した2人は同じリリーバーとして切磋琢磨し、同郷ということもあって徐々に意気投合。特に人見知りのマテオは、数少ない心を許せる仲間としてドリスを弟のようにかわいがってきた。チーム関係者は「マテオはドリスの去就をすごく気にかけている。『来年も一緒にやりたいから残ってほしい』と言っている」と明かす。

 ともに一軍に同行していた時には、マテオが頻繁にドリスを食事に誘い、球場の行き来も一緒。別の関係者は「マテオにとって、ドリスは野球以外の相談もできる仲だったから精神的にも支えられていたと思う。いなくなると成績にも影響するかも…」と心配する。マテオの思いを知ったフロント幹部も「2人は仲が良かったから、ドリスが残れるといいんだけどね…」とこぼすほどだ。球団は今オフに同じドミニカ共和国出身のメンデス投手(26=レッドソックス3A)を獲得したが、マテオにとってドリスは“代えの利かない存在”だ。

 ドリスは7月末に右ヒジ痛で離脱するまで34試合に登板、3勝3敗8セーブ、防御率2・12。9月末に帰国して10月に手術し、現在は母国でリハビリ中だ。今月上旬には高野球団本部長がウインターリーグ視察でドミニカを訪れた際にドリスと会談している。マテオの思いが球団を再契約に向かわせるかもしれない。