【赤坂英一「赤ペン!!」】それで、清原のほうは大丈夫なんだろうか?
ASKA(本名・宮崎重明)氏の覚醒剤取締法違反容疑による再逮捕、その3週間後の不起訴と釈放。この一連の不可解な経緯を見ていて、とっさに“元プロ野球の番長”を思い浮かべたファンは少なくないはずである。
まだ記憶に新しいASKA氏2度目の逮捕が11月28日で、その2日後の30日に野球殿堂博物館が2017年野球殿堂入り競技者表彰候補者30人を発表。ここで、前回までは候補に入っていた清原氏が除外されたことが明らかになった。2月に覚醒剤で逮捕され、懲役2年6月執行猶予4年の有罪判決を受けたことによる措置。当然の成り行きとはいえ、清原氏にとっては何とも皮肉なタイミングだった。
清原氏は現在、個人的な支援者の援助を受け、都内のマンションで暮らしているという。9月には、宮古島で知人たちとバカンスに興じている姿が写真週刊誌フライデーに報じられた。さらに、周辺関係者の間では、4年の執行猶予期間が明けたら告白本を出す計画が練られているとも聞く。本人が公の場に姿を見せなくても、この種の情報が流れてくるあたりは元スター選手ならではか。
だが、いまの清原氏が真剣に考えなければならないのは、そんな目先の収入や話題作りなどではない。もう一度、どんな形であっても野球に関われるようになるにはどうすればいいか、だろう。
1993年に覚醒剤で逮捕された江夏豊氏は、懲役2年4月の実刑に服したのち、新聞、雑誌などの評論家としてひっそり“社会復帰”。キャンプ地を回る地道な活動を続け、2015年にはついに古巣・阪神のキャンプで臨時投手コーチとして招かれるに至った。
逮捕から22年、そこまで球界の信用を回復できたのは、評論活動などを通じて、ふたたび野球に取り組む真摯な態度が認められたからこそだ。いまなおコワモテのイメージが強いものの、江夏氏の的確な評論はファンの間でも定評がある。
しかし、そんな江夏氏にとっても野球殿堂の壁は厚く、いまだにノミネートすらされていない。現在の清原氏は実刑こそ免れたものの、社会的には服役中の江夏氏と同じような立場にある。4年の執行猶予期間中に野球人としての“生死”がかかっている、と言っても決して過言ではない。