来季の巻き返しを目指す阪神が何と“幸運犬”の招聘に動くことになった。球団が注目しているのは今季、初の10勝をマークした3年目左腕・岩貞祐太投手(25)の愛犬「ハル」(雄)。家族の一員として迎えた9月から岩貞は怒とうの自身5連勝をマーク。そんな縁起のいいワンちゃんに、12年ぶりのV奪回を狙うチームもあやかろうというのだ。

 今季終盤の9月から飼い始めた現在生後5か月のトイプードルのハルは、新婚ほやほやの岩貞家にやって来るやすぐに“幸運パワー”を発揮した。8月まで5勝9敗と低迷していた岩貞だったが、9月4日のDeNA戦(甲子園)からシーズン最終戦の10月1日の巨人戦(甲子園)までの5試合を全勝。滑り込みで自身プロ初の2桁勝利にひと役買ってくれたという。

「ペットショップに行って妻と一緒に『この子だ!』と思ったのがハルだった。ウチの家に来てから本当に縁起がいいなあって思う。来年も期待している」(岩貞)。過去2年間、伸び悩んでいた自分を成長させてくれただけに欠かせない戦力となったが、この吉兆すぎるエピソードはチーム内でも瞬く間に話題となった。

 そこである球団関係者は「岩貞だけじゃなく、チームにも幸運をもたらしてほしい。岩貞にハルくんをキャンプ地や球場に連れて来てもらえないかと思っている。ウチの選手みんなにそのパワーを分けてもらいたい」と来春の沖縄・宜野座キャンプや甲子園への来場を打診するつもりだ。愛犬といえば阪神ではかつてOBの下柳剛氏が飼っていたラブラドル・レトリバー犬「ラガー」が有名で、キャンプ地に帯同したこともある。

 グラウンドで猛練習する下柳氏をラガーが“視察”し、当時現役だった金本監督らナインと交流するシーンも話題になった。今回もハル招聘に問題はないはず。勝利をもたらす“幸運犬”だけにチームは歓迎だろう。

「一緒に遊んでいると本当に癒やされる。ハルに会いたくて家に早く帰りたいといつも思っている。ハルと一緒にいる時間が幸せな時間」と言うほど溺愛している岩貞。本人にとってもキャンプ地だけでなく、甲子園“同伴”OKは朗報となるに違いない。V奪回に燃える阪神でハルが「優勝請負犬」となるか、楽しみだ。