早ければ来オフにも海を渡る日本ハム・大谷翔平投手(22)の“メジャー移籍解禁速報”が、早くも米球界を席巻している。米メリーランド州ナショナルハーバーで行われているウインターミーティング開幕に合わせたかのようなビッグニュースに、大リーグ関係者も騒然。初日は大谷の話題で持ち切りとなった。日本ハムが意図して放った“ゴーサイン”はメジャー側にも好意的に受け止められている。

 5日の契約更改で、日本ハムの島田利正球団代表は「お互いに前もって準備をしておく必要がある」と大谷とのポスティング移籍容認会談の意図を語ったが、これは受け入れる側のメジャーも同じ。あるナ・リーグ球団関係者は「予算の問題、調査、対策を練る時間を考えたら全てがベストタイミングでのアナウンス」と日本ハムの“配慮”に感謝。さらに「1年後に向けて必要な資金調達の準備もできるし、予算も組める」と続けた。

 これまで松坂、ダルビッシュ、田中といった獲得に総額1億ドル(約113億円)以上を要した日本選手には、複数の球団が早くからプロジェクトを組みフロント、オーナー側が一丸となって資金を準備してきた。「大物FA選手の年俸には全体の30~40%分に利息を乗せた上で数年後から分割で支払う年金形式も多い。実際に毎年の年俸総額の全額を球団が支払っているわけでもない」(前出)との現状もあり、大谷獲得予算の組み方にも様々な手法があるようだ。すでに米メディアでは今年のワールドシリーズを制したカブスが来オフの大谷獲得資金の一部を捻出するため今オフの大物FA補強を手控えるといった報道が出ている。

 また、二刀流受け入れに対する提案も各球団がしのぎを削る部分だ。前出関係者は「普通に考えて中4日ローテーションの中では、彼の登板日に上位打線に入ってもらって翌日はクールダウン。残り3日間の中で代打待機するという起用法が最も無理のない方法ではないか。登板間のDH起用はDH契約をしている選手の出場機会を奪い、インセンティブ等のデリケートな契約問題も絡んでくるので、起用の幅はDH制のないナ・リーグの方が広い」と言う。球団間では資金面、アイデア面で早くも様々なシミュレーションが開始されているようだ。