日本ハムが5日、大谷翔平投手(22)の早ければ来オフのポスティング移籍容認を打ち出した判断について、島田球団代表は「来年になるか再来年になるか分からないが、お互いに前もって準備をしておく必要がある」と説明した。

 同代表は「(4年間の)実績というのも大きな要因。彼の成長スピードは我々の想像以上。そこも考えてあげなきゃいけない」とした上で「彼が一番いいという時に行かせてあげるべきかなと思う」と入団の経緯も加味し、球団が移籍時期を縛るべきではない考えを示した。

 もちろん「編成という部分では投打で2人分ですからね」(島田代表)と大きな痛手となることは覚悟している。「まだ早いんじゃないかというのはない。今の大谷みたいなところへ行ってしまうと野球界のため、本人のためにどうしたらいいかだと思う。我々がどうというものでもない。むしろ我々もどうなるのか見てみたい」と一年でも早い“世界挑戦”を、球団が進んで後押しする英断を下した。

 現行のポスティングシステムが変更されない限り、譲渡金は上限2000万ドル(約22億7300万円)という制約もある。それについても同代表は「それを一球団がどうこうできる立場ではない。ただ関係ないわけではないので注視していきたい」と語るにとどめたが、現時点でカネよりも若者の夢を優先させた日本ハムの判断は他球団にはまねできない決断かもしれない。