阪神・藤川球児投手(36)が1日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の2億円でサインした。4年ぶりに古巣復帰した今季は先発として開幕ローテ入りしたが、5月に中継ぎへ配置転換。43試合に登板して5勝6敗3セーブ、防御率4・60と本来の力を発揮できなかった。

 来季は背番号を「18」から、かつて背負っていた「22」に戻して復活を期す。火の玉右腕は「ファンが思ってくれている藤川球児の22番というピッチャー像をもっともっと高めないといけない。汚すことはできない。阪神以外では『22』をつけないようにしていたが、ここで『22』をつけるというのは自分一人の問題ではないということは分かっている」と口元を引き締めたが、球団サイドは、この背番号変更に感謝しきりでもあるという。

「去年まで『22』を背負っていた呉昇桓が賭博疑惑によって球団を去ったので悪いイメージがついていた。だから、新人や出世した選手には勧めにくい番号になっていたからね」(球団関係者)。もともと阪神の「22」はミスタータイガース・田淵幸一氏や1985年の日本一に貢献した木戸克彦氏などがつけてきた由緒ある番号。それが呉昇桓の退団劇によって、いわく付きとなってしまっただけに、栄光の番号復活という形で藤川が再び背負ってくれるのはありがたいというのだ。

「クローザーとか、セットアッパーにこだわりはない。チームが優勝することのみが目標。通算の防御率が2点台になったのでそれは下げたい。ピッチャーは成績を求めることがチームのためになるという野村(克也)監督の教えもあるので」と藤川。来季は背水の陣となるが「何としても復活してもらわないと。できれば、また守護神として存在感を発揮して『22』を輝かせてほしい」(球団関係者)と、その肩にかかる期待も大きい。(金額は推定)