阪神・高山俊外野手(23)がセ・リーグ新人王を獲得した。球団では2007年の上園啓史投手以来9年ぶりの受賞。今季の高山は134試合に出場し、打率2割7分5厘、8本塁打、65打点の活躍。有効投票269票中、220票と圧倒的な支持を得ての選出に「新人王というのは一生に一度しかもらえないのでうれしい。『超変革』という年に入団し、監督に試合に使ってもらったのが大きかった」とコメントした。

 祖父・龍平さんが胆管がんのため25日に亡くなったばかりで「大学のころも試合を見に来てくれて最多安打も見てくれた。新人王(の姿)は見せられなかったが、どこかで見守ってくれていると思う」と神妙な面持ちながら「(来季は)全試合スタメンで出られるようにそこを目標にやっていきたい」と意気込んだ。

 2年目の来季はさらなる進化が求められるが、そんな高山は金本監督から直々の「金言」を贈られている。「新人王を取っても3割は打っていないからまだまだだ。(1998年に球団の新人安打記録を作った)坪井でさえ、5年後にトレードでチームを去ることになった。それくらい厳しい世界ということ。1年目に賞を取ったからといって油断するなよ」

 阪神は人気球団とあって誘惑も多く、過去にも2年目以降は鳴かず飛ばずという選手も少なくない。シーズン中は高山を「強化指定選手」として何度もマンツーマン指導をしてきた鉄人としては、新人王に輝いても“慢心だけはダメ”とクギを刺す必要があったのだろう。来季の高山の活躍に注目だ。