オリックスの長村裕之球団本部長(57)は15日、日本ハムからFA宣言した陽岱鋼外野手(29)の獲得に乗り出すことを明言した。すでに代理人と連絡を重ねており「興味があるということで話はさせてもらっている。バランス的に左打者は多い。右の補強ということ」と話した。残留を願うFA・糸井の返答待ちの状態だが、その一方で「糸井が他球団に行った時の最悪のケースも考えて編成しないといけない。条件はこれから詰めることになる。常識の範囲内で」と万全を期する考え。3年総額9億円の条件で交渉を進めるとみられる。

 とはいえ、安閑としてはいられない。巨人、楽天などの動きも気になるだけに球団サイドは「巨人が来ると金額的に勝負にならないかもしれない」と警戒する。そんな中で期待されるのが、福良監督だ。陽岱鋼とは日本ハム時代の師弟関係で今もホットラインは健在。代理人交渉のため直接出馬とはいかないまでも「直接、電話してもらいたい。選手にとっては監督から連絡をもらえるというのはうれしいし、心強いこと。起用するのは監督であってフロントではないですからね。糸井の交渉に出向いた(阪神の)金本監督だってそうでしょう。特に陽岱鋼は福良監督を尊敬しているし“男にしたい”と思っているはず。交渉のキーマンになる」(球団幹部)という。

 福良監督は糸井との交渉には直接出馬せず、静観を決め込んでいるが「糸井の性格をわかっているからこそ直接出て行かないんです。静観しているようでめちゃめちゃ考えている人ですから」(同)。仮に糸井流出ともなれば、陽岱鋼は絶対に外せない戦力。オリックスサイドは指揮官が動けば獲得に大きく近づくとにらんでいる。