ナンバー2でこそ輝く男・岸の楽天移籍カギ握るのは則本

2016年11月12日 16時30分

 西武からFA宣言した岸孝之投手(31)が11日、東京都内のホテルで楽天との初交渉を行った。楽天の星野仙一副会長(69)から4年最大20億円(推定)の提示を受けた岸は「いい評価をいただいた」と笑顔を見せたが、条件以上に大きいのが4年連続開幕投手を務めた楽天のエース・則本昂大(25)の存在のようだ。

 

 西武関係者は常日頃から「性格がマイペースな岸は、2番手でこそ力を発揮するタイプ」と断定している。西武に涌井がまだ在籍していた2012年までの岸は、2番手として6年で5度の2桁勝利をマーク。しかし、涌井が移籍し、13年オフに西武と3年契約を結んで1番手に押し出されると、14年こそ自己最多タイの13勝を挙げたものの、ケガの影響もあり15年は5勝、16年9勝と2桁勝利から遠ざかっていた。

 

 06年の希望枠で西武に入団した岸の野球人生は、常にスポットライトを避け“ナンバー2”を選択してきた横道人生とも言える。東北の野球どころ仙台出身だが、高校は「地元の2強」仙台育英、東北高からの熱心な誘いを受けながら公立の名取北高に進学。大学も仙台六大学の常勝軍団・東北福祉大の誘いを蹴って東北学院大を選択。プロ入りの際も熱心な巨人の誘いを断って最終的に西武を自ら選択している。

 

 交渉を終えた岸は「昨日の夜からすごく緊張した。相手チームの監督だった星野さんは怖いイメージだったけど、それと違ってすごくやさしかった」と感想を語ると「一緒に仙台を盛り上げてほしい。東北を元気にしてほしいと言われた」とその誠意に感謝した。

 

 一方、星野副会長は「会ってくれたということはポジティブに捉えている。彼は東北の星。コボスタのマウンドで躍ってほしい。則本と2人で2本柱になる」と期待した。“ナンバー2でこそ輝く”岸がこれ以上ない最高のポジションで故郷球団に迎え入れられようとしている。